ご相談される際の注意事項
労働相談は、賃金未払い、残業代、解雇、ハラスメント、契約内容、労働条件など、職場で起きている問題を整理し、解決に向けた方法を検討するためのものです。
全国一般では、相談者の許可なく、相談内容や個人情報を会社へ伝えたり、会社に相談した事実を知らせたりすることはありません。組合への加入、会社への申入れ、団体交渉などを行う場合も、必ず相談者本人と方針を確認し、理解を得たうえで進めます。
ただし、労働組合への相談が会社に知られる経路は、組合からの情報開示だけではありません。相談を始める前から、すでに会社側に知られている可能性もあります。

会社に相談したことが知られる主な経路
会社のネットワーク・PC・スマートフォンを使った場合
会社のWi-Fi、社内ネットワーク、会社支給のパソコン、スマートフォン、メールアドレス、チャットツールなどを使って相談先を探したり連絡したりした場合、会社の情報セキュリティ対策や端末管理の仕組みにより、利用記録が残っていることがあります。
たとえば、ホームページの閲覧履歴、検索キーワード、メールの送受信先、チャットの宛先や内容、電話の発信先などが、会社側に把握される可能性があります。
労働相談に関する検索、閲覧、連絡は、できる限り私用のスマートフォン・私用メールアドレス・自宅等の会社と関係のない通信環境を利用してください。
上司・同僚などに話した場合
信頼している上司や同僚に相談したことを話した場合でも、その内容が会社に伝わることがあります。
本人に悪意がなくても、「職場が混乱するのではないか」「本人のために会社へ伝えた方がよいのではないか」と考え、会社側へ報告する場合があります。また、同僚自身が会社との関係や自分の雇用を守るため、会社側に情報を伝えることもあります。
労働組合に相談したことが、信用していた同僚などから会社に伝わることは、残念ながら珍しいことではありません。
会社に知られた場合に起こり得ること
相談や組合加入の事実を会社側が知った場合、上司や役員から呼び出され、事情を聞かれることがあります。
会社によっては、退職を勧めたり、圧力を加えたりする一方で、一時的に待遇を改善したり、親身な対応を見せたりして、相談や組合活動をやめるよう働きかけることもあります。
また、相談者が会社の問題点を整理しているのと同じように、会社側も相談者に対して不利益な材料を探そうとする場合があります。本人に知らせず、勤務態度、業務上のミス、社内規則違反、情報管理上の問題などを記録・収集し、後から注意、処分、解雇の理由として使おうとするケースもあります。
日常の行動にも注意してください
過度に不安になる必要はありません。社会常識を踏まえ、就業規則や業務上のルールを守り、誠実に仕事をしていれば、必要以上に警戒する必要はありません。
一方で、会社側に不要な材料を与えないため、次のような行動には注意してください。
- 勤務時間中に、業務と関係のないホームページを閲覧しない
- 休憩時間中であっても、会社のPC・ネットワークでギャンブルサイトやアダルトサイトなどを閲覧しない
- 会社支給のメール、電話、チャットツールを、私的な相談や連絡に使わない
- 無断欠勤、遅刻、早退、勤務中の私用電話・私用スマートフォンの長時間利用などを避ける
- 会社の機密情報、顧客情報、個人情報、社内資料などを、無断で持ち出したり外部に送信したりしない
- 通勤中を含め、信号無視、歩きスマホ、たばこやごみのポイ捨てなど、法令や社会的なルールに反する行為をしない
会社によっては、勤務中の行動だけでなく、通勤時や会社周辺での行動についても、写真、動画、防犯カメラ映像、第三者からの報告などを通じて記録されることがあります。大げさに感じるかもしれませんが、会社との間で問題が起きている時期は、普段以上に落ち着いた行動を心がけてください。
不安なことは、相談時にそのままお伝えください
「すでに会社に知られているかもしれない」「会社のPCやメールで連絡してしまった」「同僚に話してしまった」「上司から呼び出されている」など、不安な事情がある場合も、隠さずにご相談ください。
事情を早い段階で共有していただくことで、連絡方法、証拠の保全、会社への対応、組合加入や団体交渉の進め方などを、状況に応じて検討できます。