2月26日は、 3件の労働相談、周防運輸分会の未払い賃金訴訟の弁護士・組合員の打ち合わせ、江藤運輸分会の不当処分無効訴訟の証人尋問の打ち合わせ、二島商事分会の職場集会、全国ユニオンリモート事務局会議等を行いました。
新規労働相談の 3件の内容は、北九州市内の福祉サービス業の従業員兼取締役が明日株主総会(株主2人)で解任されるというもの(来局相談)、岡山市の運輸業で働く労働者が乗務するトラックを一方的に変えられ、乗務をさせられていないというもの(電話相談)、東京都に本社があるコピー機販売リース業の会社で働く労働者が希望退職(加算金年収2年分)を拒否すると3年連続賃金を下げられ、職種転換・ハラスメントを受け企業内組合に相談しても対応してもらえないというもの(来局相談)、です。
中小企業では、従業員が取締役に就任しても、それ以前の従業員としての業務を継続して行っているケースが多く、その場合、取締役としての地位とともに、従業員としての地位も併存していると考えられます。
会社は残業手当を支払わないためや解雇したい管理職などを名ばかり取締役にしているケースは多くあります。
取締役の地位は、法的には労働契約ではなく委任契約で株主総会で解任が決議されれば、解任の理由は不要です。
一方、労働者を解雇する場合は、合理的な理由と社会的相当性が必要です。つまり、労働者は、簡単には解雇できません。従業員兼取締役の場合は、取締役を解任されても、労働者としての地位は残ることになりますが、会社側がそれを否定し、取締役として解任されると、労働者としての地位もないと主張する場合が大半です。
このような場合、会社は就業規則で従業員の退職事由として、当社の取締役に就任したときを挙げているのが通例で、これを根拠に、取締役就任時点で労働者としての地位はなくなって従業員兼取締役ではないと主張します。取締役が従業員兼取締役であるかどうかは、代表取締役などの他の取締役からの指揮監督の状況や、業務内容(取締役就任前とどれだけ異なるか)、給与・報酬(固定給か、取締役就任時にどう変化したか)、雇用保険の加入などを考慮して判断されます。
従業員兼取締役が、解雇理由もないのに、取締役を解任されて、会社が従業員の地位を否定する場合は、労働組合に加盟して団体交渉などで闘うことができるし、当然裁判もできます。
相談者のケースは、取締役になっても賃金は全く同一、業務も同一であり、従業員としての地位は当然あると考えます。