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定年後の雇用条件改善を!

60歳定年後再雇用の労働条件が定年直前と比べて著しく低い問題を考える集会が、3月28日、国会内でありました。
主催は、全国ユニオン加盟のなのはなユニオンとシニアユニオン東京です。

集会を後援した全国ユニオンの鈴木剛会長は、「働かざるを得ないという状態を人質にとられ、59歳までと全く同じ仕事だったり、現役時よりもきつい仕事だったりするのに、労働条件が大幅に引き下げられる深刻な事態が相次いでいる」と述べ、年金支給開始年齢の引き上げや、少子高齢化が進む中でのこの問題の重要性を強く訴えました。

集会では、棗一郎弁護士が高年齢者雇用安定法の再雇用制度の問題点について講演しました。連合の山脇義光労働法制局長も高齢者雇用に対する連合の考え方を説明し、「高いモチベーションで働ける処遇が必要」と語りました。

集会では、60歳定年を選ぶか、それとも、58歳でいったん退職すれば65歳まで再雇用で働けるが、給与は退職時の約60%~約40%に引き下げられる働き方の、二者択一を従業員に迫る企業の実例が報告されました。

高年法に関する厚生労働省の疑義応答集を悪用した事例も報告されました。これについては、直前に行われた同省との交渉で、担当官から、(疑義応答集は)不利益変更を容認するものではない、という内容の見解が表明されています。
企業で働き、60歳で「退職」と扱われた当事者の男性が、この仕組みは違法であり無効だとし、地位確認を求めて提訴した経緯を発言しました。「単純におかしい。何とかしなければならないと思い提起した。少しでも世の中を良い方向に引っ張っていきたい」と決意を述べ、参加者から激励の拍手を浴びました。

全国一般福岡は、すでに、定年60才後の再雇用に関して大幅に賃金を引き下げる企業2社(九州惣菜、岡野バルブ製造)に対して、最高裁まで係争し、会社の行為は不法行為で損害賠償を支払わせる勝利判決を勝ち取っています。
全国一般福岡九州惣菜分会の闘いは、2018年3月31日の毎日新聞朝刊の社会面に大きく取り上げられました。

しかし、福岡地裁では、先月の3月13日、定年後の不利益変更に異議を主張して会社の再雇用契約書に署名した組合員に対し、会社が異議があるならば契約を締結できないと主張し、高齢者雇用契約法に反して65歳までの契約を締結しなかった事案に関して、 地位確認すら認めないという不当判決がありました。
ザル法の高齢者雇用安定法を抜本的に変える運動が求められています。

支部執行委員会を開催!

4月5日は、毎月定例の全国一般北九州支部執行委員会を開催しました。
主な報告事項と協議事項は次の通りです。

Ⅰ 報告事項(団体交渉・職場集会、裁判、県労委は省略)
◯3月1日 支部執行委員会
◯3月2日  連合福岡春闘決起集会
◯3月11日 連合ユニオン九州フロック会議
◯3月14日 支部労働講座
◯3月23日 ユニオン合同労組学習会
◯3月26日 支部労働講座
◯3月30日 地本執行委員会
◯4月1日 ユニオン合同労組事務局会議
◯4月4日 支部労働講座
☆ニュースカーでの抗議・教宣・ビラ配りは週5日行いました。

Ⅱ 労働相談解決事例
① Sクリニック分会 解雇問題解決
② I幼稚園分会 退職勧奨解決
③ K歯科分会 未払い賃金問題解決
④ K工業分会 未払い賃金問題解決
⑤ A(運送業)分会 解雇問題が撤回で解決

Ⅲ 新規組合結成・加盟承認について
◯ 3月1日 A分会(自動車販売)結成
◯3月13日 Y貨物分会(運送業)結成
◯3月14日 S分会結成(海難防止)結成
◯3月15日 Y分会(造園業)結成
◯3月21日 A分会(運送業)結成
◯3月28日 N分会(ネイル)結成
◯3月29日 臼杵運送分会福岡営業所新規加入
◯4月4日 G分会(車運送)結成
◯4月5日 D分会(スーパー)結成

Ⅳ 2024 春闘について

⑴連合、全労連の回答状況は次の通りです。

(連合)
平均賃金方式で回答を引き出した 民間1,446 労働組合の定昇相当込み賃上げの加重平均は16,379 円・5.25%(昨年同時期比 4,825 円増・1.49 ポイント増)となっています。
賃上げ分が明確に分かる 1,237 組合の賃上げ分は、11,262 円・3.64%(同 4,668 円増・1.39 ポイント増)で、賃上げ分が明確にわかる組合の集計を開始した 2015 闘争以降、最も高くなっています。
1,446 組合のうち、組合員 300 人未満の中小組合は 777 組合で、その定昇相当込み賃上げは 11,916 円・4.50%(同 3,153 円増・1.11 ポイント増)となり、全体と同じく 2013 闘争以降最も高い。賃上げ分が明確に分かる中小組合 607 組合の賃上げ分は8,549 円・3.15%(同 3,076 円増・1.09 ポイント増)で、2015 闘争以降で最も高くなっています。
パート時給は、連合の中でUAゼンセンでは時給引き上げ金額は70.2円で平均時給は1145円となっています。

(全労連)
全労連は、これまでに回答があった383の労働組合の状況を発表し、賃金の引き上げ額は定期昇給分とベースアップ相当分あわせて平均で月額7447円、率にして2.52%となっています。去年の同じ時期を1802円、率にして0.45ポイント上回り、およそ25年ぶりの引き上げ水準となっています。

⑵ 全国一般福岡地本の4月5日現在の各支部の一次回答状況は次の通りです。

(北九州支部)
◯和田合金分会 賃上げ15,000円
◯玄洋分会 賃上げ14,901円、社保負担使7対労3
◯サンエストランテック分会 賃上げ10,000円
◯リブラひかり分会 賃上げ15,000円(パート時給70円増)
◯柏木生コン分会 賃上げ10,500円
◯D分会(運輸業) 賃上げ10,000円
◯Aパート分会(製造魚) 賃上げ9,600円
◯臼杵運送分会 賃上げ 5,050円、物価高騰手当3万円、夏季一時金1.7ヶ月
◯のぐち産業分会 賃上げ4,000円以上
◯江藤運輸分会 賃上げ3,500円
◯下関海陸運送分会 賃上げ 定期昇給
◯フジコー分会 賃上げ8,000円 物価手当5万円
◯日本資源物流分会 賃上げ6,000円
◯ヒューマンブリッジ分会 賃上げ平均13,000円
◯西友自動車分会 賃上げ5,000円
◯N分会 賃上げ6,000円

(筑豊支部)
◯西日本カントリークラブ分会 賃上げ16,000円(9%)、パートキャディ賃上げ9,000円、アフレ作業手当970円、
◯西田工業分会 定年65歳
◯中間シルバー人材センター分会 定期昇給

(大牟田支部)
◯ファノバ分会 賃上げ7,000円

(筑後支部)
◯チクホー分会 乗務員賃上げ10,300円、作業員賃上げ23,000円
◯ダン産業分会 賃上げ4,968円、年間休日10日増、年間労働時間53時間減
◯久留米自動車学校分会 定昇1号俸
◯久留米自動車工科大学校分会 定昇1号俸・一時金4.5ヶ月
◯ゆうかり学園分会 定昇4号俸

(福岡支部)
◯大和スレート分会 賃上げ2,000円

Ⅴ 小倉駅前教宣行動について
◯日時 4月26日(金)17:00~
◯場所 小倉駅前

Ⅵ 争議分会支援連帯行動の取り組みについて

◯毎日のニュースカー抗議・教宣、ビラ配りは今月も行います。裁判・県労委分会(9分会)及びストライキ決行分会等を支援します。
4月15日に争議分会支援連帯行動を取り組みます。

Ⅶ 第95回北九州統一メーデー

メーデーは、全世界の労働者が団結と連帯を確認する日であり、全国一般は長年会社休日化の闘いと国民祝日化を目指し闘っています。
日時 4月27日 10時開催
場所 あさの汐風公園
*組合員、家族で参加しましょう。今回は、飲食は可となりましたので、参加組合員、家族に弁当、ビール、ジュースを配布いたします。参加人数は4月23日までご連絡ください。

Ⅷ文化レクレーション活動について

◯ゴルフ交流の取り組みます。
参加者は来月執行委員会で集約します。
予算 商品代負担~
◯ ボーリング大会については次回執行委員会で提案します。

☆次回の執行委員会は、5月8日(水)18時、真鶴会館です。

抗議教宣行動

4月4日は、全国一般北九州支部が週5日行っているニュースカー教宣活動を北九州市若松区二島にある二島商事周辺で行いました。
教宣内容は、「会社は労働基準法を守り残業代を支払え」、「社員の不当解雇を撤回しろ」、「社長が社員の中退共掛金を勝手に解約し使い込んだ金額を支払え」、「労働組合と誠意を持って団体交渉を行え」など、力強く訴えました。

今日は、北海道に本社を置き、北九州市に事業所がある自動車陸送を業とする会社で働く労働者が、分会を結成し会社に対して、組合結成通知書、組合役員氏名通知書、要求書、団体交渉申入書を提出しました。
組合結成のきっかけは、社員の家族の方が全国一般福岡のfacebookを常時閲覧しており、家族から全国一般を紹介されたとのことです。

主な要求内容は、⑴就業規則、賃金規定、退職金規程、雇用契約書について明示すること。⑵「倒産した会社から雇い入れた運転手と賃金を同等にする」と会社役員が発言し、社員の基本給、諸手当を減額した金額を支払うこと。⑶今年度の賃上げは基本給を2万円引き上げること。⑷労基法違反の未払い残業代を過去に遡及して支払うこと、などです。
新たに立ち上がった仲間を支援しましょう。

今日は、月2回の支部労働講座(テーマ・労働委員会の活用)を開催しました。

ユニオン、合同労組の運動

今週、個人加盟の合同労組の役員の方から、2件、福岡地本に問い合わせがありました。
その内容は、「全国一般福岡は労働相談が多いが、どうような取り組みをしているのか」、「私の〇〇労組は1ヶ月労働相談が1件もない時もあり、年間でも数件しかない」、「組織が増えないのでこのままでは組合が消滅する」、「専従者を雇用できず、非専従の組合員も労組の活動にはなかなか参加してくれない」、「組合の日常の活動はどうしたたらいいのか」、「ストライキなど争議をどのように指導したらいいのか」、「うちは加盟している労組の団体交渉に呼ばれた時に参加しているぐらい」などです。

私は、ユニオン・合同労組としてやるべきこと、そして努力していくべきことについて、理想的な話ではなく、自らの組織でやってきたことだけをお話しすることにしています。

まずは、ビラやチラシを必ず配ること。具体的には、駅前でマイクを握り、労働相談の呼びかけを行なうこと。全国一般福岡は、週5日、ビラを配り、ニュースカー教宣を行なっています。

次に、ホームページを開設していても情報、投稿がされていない組合には相談者は相談をしないことから、組合からの情報発信は常に行うこと。全国一般福岡は、ツイッター、FacebookなどSNSで日々労働組合活動を発信し、未組織労働者に呼びかけるとともに、組合員と意識の共有化に努めています。

不当な攻撃をする会社がある場合は、ストライキや社前での抗議、糾弾をすること。具体的には、争議分会支援連帯行動などを取り組むこと。そうしないと会社に舐められ要求は何一つ前進しない。しかし、抗議だけ行なっても解決はしないことから、組織拡大を第一に考えた取り組みを日常的に努力すること。
組織拡大を取り組まない分会については、職場で孤立し組合の要求実現は困難となります。

ストライキをしないユニオンは存在意義はなく、労働組合に対する不信感を助長します。労働組合法に基づき全組合員よる無記名投票によるストライキ権を必ず確立すること。そして、春闘や不当な攻撃に対しては会社に対してストライキを通告すること。

組合員の生活対策として共済制度(こくみん共済coop)を確立し、労働金庫(積立、各種ローン)の取り組みも必ず行うこと。そのために、こくみん共済coop、労働金庫の出資組合となること。

その他、NPO労働相談センターを設立し労働弁護団の協力をいただき幅広く労働相談活動などを行っていること、精神障害を罹患している相談者が多いことから障がい者就労移行支援事業所を設立し会社でのいじめで精神障害を罹患した人達への支援・対応・訓練を行なっていること、全ての分会、職場に支部執行委員を選出・配置して月1回執行委員会を開催していること、労働法講座を月2回開催していること、文化レクや交流会は予算の限り行っていることなどを話しました。

労働運動にも、すぐに成果が現れる特効薬などはありません。地道に創意工夫し、失敗しても、できることを着実に取り組むことがもっとも大切です。
ユニオン・合同労組、全国一般、地域労組などは、ナショナルセンター、産別の違いなどにこだわることなく、お互い学び合い、団結していくことが最も大切だと思います。

地本執行委員会を開催!

全国一般労働組合福岡地方本部は、 3月30日(土)、博多中央港湾福祉センター会議室において、執行委員会と組織財政検討委員会を5支部(福岡、北九州、筑豊、筑後、大牟田)の参加で開催しました。

協議事項は、2024春闘、組織拡大・新分会の承認、新セット共済制度、今後の日程等について協議・決定しました。

2024春闘は、筑後支部はチクホー分会が乗務員賃上げ10,300円、作業員賃上げ23,000円、ダン産業分会が賃上げ4,968円と年間休日10日増、年間労働時間53時間減、久留米自動車学校分会が定昇1号俸、久留米自動車工科大学校分会が定昇1号俸・一時金4.5ヶ月、ゆうかり学園分会が定昇4号俸を一次回答で引き出しています。
大牟田支部は、ファノバ分会が昨年は検針料上積みがありませんが、今年は月額7,000円の賃上げ回答を引き出しています。
筑豊支部は、西日本カントリークラブ分会が社員キャディ賃上げ16,000円(9%)、パートキャディ賃上げ9,000円、アフレ作業手当970円、西田工業分会が定年65歳、中間シルバー人材センター分会が定期昇給などを引き出しています。
北九州支部は、柏木生コン分会が賃上げ10,500円、大進運輸分会が賃上げ10,000円、サンエストランテック分会が賃上げ10,000円、Sパート分会が9,600円、和田合金分会が賃上げ15,000円、ヒューマンブリッジ分会が平均賃上げ13,000円、N分会が賃上げ6,000円、のぐち産業分会が4,000円以上、などの一次回答引き出しています。
福岡支部は、大和スレート分会が一時回答2,000円を引き出しています。
これから、各分会は、3月決算後の4月から本格的な労使交渉となります。

組織拡大については、筑豊支部2分会、大牟田支部1分会、福岡支部2分会、北九州支部48分会の合計53分会の結成・承認をしました。

新セット共済については、地本独自で行うこととなり、別紙の通り、80口(死亡給付金800万円)以下は保険料が下がりました。また、65歳以上は慶弔共済死亡90万円と生命共済任意30口としました。
また、新たに、地本で慶弔共済制度を設立し充実していくこととしました。

今後の日程としては、福岡県自動車教習所共闘会議総会を5月19日に開催すること、5月25日にユニオン合同労組連絡会議の不当労働行為対策講座(講師鈴木剛全国ユニオン会長)に参加すること、運輸部会一泊学習会を6月に日田で開催すること、7月6日から7日にかけて鹿児島でコミュニティユニオン九州ネットワークを開催して地本執行委員、財形検討委員、各支部活動家の参加を行うこと、などを決定しました。

回答指定日の回答!

今日、 3月16日は、全国一般北九州支部の回答指定日です。
例年は、中小企業は3月決算が多く、決算後の4月上旬に回答する会社がほとんどでしたが、今日まで一次回答を行ってきた6社と回答は次の通りです。

◯サンエストランテック分会(運輸業)10,000円・4月昇給(前年10月昇給3,000円)
◯大進商運分会(運輸業)10,000円(前年5,000円)
◯柏木生コン分会(生コン製造・輸送)10,500円(前年14,400円)
◯A(清掃業)分会15,000円(5330円)
◯B分会(製造業)6,000円(前年1,000円)
◯C分会(卸売業)4,000円以上(前年凍結)

全ての分会は、遅くても 3月末までに団体交渉を開催し、闘争体制を背景に具体的回答を引き出しましょう。

「連合」は、 3月15日までに回答があった700社余りを集計したところ、賃上げ額は平均で月額1万6469円(前年比6425円増)、率にして5.28%と、1991年以来、33年ぶりに5%を超えたとのことです。去年の同じ時期と比較しても率で1.48ポイント上回る水準となっています。

また、「全労連」もこれまでの回答状況を公表し、賃上げ額は平均で月額7447円、率にして2.52%と、およそ25年ぶりの水準とのことです。ただ、物価高騰の中で生活を支える水準には至っていないとして、交渉を続ける構えです。

連合各労組の回答状況は次の通りです。

https://www.jtuc-rengo.or.jp/activity/roudou/shuntou/2024/yokyu_kaito/sokuho/kaito_no07.pdf?3897

不当判決を変えていこう!

福岡地裁第五民事部は、 60歳定年再雇用条件に関して、異議を主張して会社の再雇用契約書に署名した組合員に対し、会社が異議があるならば契約を締結できないと主張して、高齢者雇用契約法に反して65歳までの契約を締結しなかった事案に関して、 3月13日付で判決を行った。
判決は原告組合員の請求は全て棄却された。

争点は沢山(組合員だけ在宅勤務、再雇用条件の賃金7割、賞与なし、異議を主張して契約書に署名、会社の不当労働行為など)あるが、異議を主張して会社の辞令や契約書を締結することに関して、裁判所の判断は相変わらず厳しく、労働者としては極めて不当な判断が司法で多くまかり通っている。

組合員は、契約書に「この契約書には異議がありますが法的判断が出るまでこれに従います」と記載して署名捺印して会社に提出した。異議を主張して会社の提案に従う意思は明確に示していた。

裁判所は、この異議をとどめた効力に関して、次のように判断した。
『本件では、原告が、本件契約書の署名の上部に「この契約書には異議がありますが、法的判断が出るまでこれに従います。」と記載をした上で署名及び押印をしているところ、原告はこの点には、必要性と合理性があり、契約の成立が認められるべきである旨主張する。しかしながら、原告の異議の内容は、それまでの交渉経過からすれば、賃金、就業場所、業務内容等の労働契約の基本的な内容に対するものである事は明らかであったことに加え、被告は、被告において契約を締結することができない旨を付記して原告に交付しており、原告の異議をとどめた上での意思表示を明確に拒否していることからすれば、「法的判断が出るまでは従う」する部分を踏まえても、再雇用契約の意思表示の合致はないと言わざるを得ない。原告は雇用再雇用契約の成立を認めない事は裁判を受ける権利を害するものである旨主張するが、同権利は何ら侵害されていない。以上からすれば、改定就業規則21条2項但し書きの「理事会が合理的な裁量の範囲で労働条件を提示し、事務局員がこれを拒否した場合」に当たるため、本契約書による再雇用契約は成立しておらず、被告は原告の定年後再雇用しなかったことに違法性は無い。』

組合の闘いは、厳しい司法判断を踏まえた戦術、戦略を構築し推し進めていかなければならない。
しかし、不当な司法判断に関しては、その不当性を変えていく不断の努力もしていかなければならない。
大変だが組織拡大をして集団的労使関係を成立させることが組合としては最も重要で、このような事案は組織拡大が前進すれば労使関係で解決できる事案だろう。

今後、異議をとどめて会社の辞令、契約に従う手法、戦術に関しては、個人組合員、分会の意向、更には当該支部の判断で行うのではなく、地本執行委員会での承認方針のもとに行うこととしたい。

自民党の最賃議員一元化推進連盟の議論

自民党の最低賃金一元化推進議員連盟は、3月6日、国会内で会合を開き、先進各国の最賃の引き上げ動向や、外国人技能実習制度に代わる新たな制度の下での最賃の地域間格差などについて検討協議した。
最低賃金の下限を早急に千円とする案や、24年度最賃改定は6%とすべきとの主張、2030年までの1500円実現などの意見が表明された。
厚生労働省の担当課長が、ワシントン州(2327円)を筆頭に全米22州で1月から最賃が引き上げられたことや、英仏独の各国では最賃が日本円換算で1900円前後に到達していることを報告。出入国管理庁の担当課長は、技能実習制度に代わる新たな制度の概要を説明した上で、「台湾、韓国が人材獲得のライバル。韓国は全国一律最賃でもあり、より魅力ある仕組みとなる方が所管官庁としてはありがたい」と理解を示した。
日本の最賃問題について提言している、政府の成長戦略会議元有識者委員、デービッド・アトキンソン氏が講演。直近の世界の最賃引き上げのすう勢は8%だと述べ、24年度改定では6%の最賃引き上げが妥当であると主張するとともに、千円以下を早期に撲滅する政策が必要だと強調。最賃の引き上げで中小企業の倒産が増えるという主張は根拠が乏しいなどと力説した。
議連会長の衛藤征士郎衆院議員は「最賃のランクを昨年、4区分から3区分にしたが、次は2区分だ。総理は30年代半ばに1500円に到達させるというが、それでは遅すぎる。30年代半ばではなく、30年をデッドラインとすべき」と持論を展開。「一元化を今まで以上にアプローチしていかなければならない」と語った。
会合には加藤勝信前厚労大臣も出席していた。

自民党の活発な最賃引上げの背景には、経済界でも指摘しはじめた先進諸国の中での日本の賃金水準の低さだろう。
経済同友会の新浪剛史代表幹事は、年頭の報道各社の取材に応じ、医療や介護、小売りなど人手不足が深刻な業種で人材を確保するためには、大胆な目標を掲げる必要があるとして、最低賃金の全国平均時給について、3年後をめどに「2000円を目指すべきだ」と訴えている。

一方連合は、昨年12月、最低賃金について、2035年までに時給1600円から1900円程度の水準まで段階的に引き上げるとする新目標を発表したが、11年後とは世界の先進国の最賃の状況とかけ離れておりあまりにも遅すぎる。

先進国の最賃事情を踏まえれば、「 3年後に最賃時給を2000円」の方針を全ての労働組合のナショナルセンターは掲げ世論喚起をすべきだと強く思う。

造園業で組合結成!

3月15日は、北九州市小倉南区に本社を置き、造園業を業とする会社で働く労働者が、全国一般福岡に加盟して分会を結成し、会社に対して、組合結成通知書、組合役員氏名通知書、要求書、団体交渉申入書を提出しました。

分会の主な要求は、次の通りです。
⑴就業規則、賃金規定、退職金規程、雇用契約書について明示すること。
⑵ 社員は、日給1万円で雇用されているものの、1ヶ月25日働いても20万円しか支給されていません。日報を過去3年間明示し、未払い賃金と遅延損害金を支払うこと。
⑶ 労働基準法で定められている年次有給休暇を1日も取得させていません。過去の年休分も含めてすべて取得させること。
⑷通勤途上災害(第三者行為)の社員を労災手続きを行うこと。
⑸ 社員の建設業退職金共済手帳に証紙を貼付のうえ本人に返却すること。
⑹ 日本国憲法、労働組合法を厳守し、組合員への差別的取扱、労働組合員への解雇等の不利益変更や嫌がらせ、さらには労働者の団結権の侵害や団体交渉拒否などの不当労働行為は一切行わないこと、などです。
新たに立ち上がった仲間を支援しましょう。

組合を結成!

3月14日は、北九州市門司区に本社を置き、海難に関する安全対策を調査・情報を提供する事業等を業とする公益社団法人で働く労働者が全国一般北九州支部に加盟して分会を結成し、法人に対して、組合結成通知書、組合役員氏名通知書、要求書、団体交渉申入書を提出しました。

要求内容は、次の通りです。
⑴就業規則、賃金規定、雇用契約書について明示すること。
⑵社員に対して、同意ない賃金・労働条件の不利益変更(勤務日数の減少、賃金の減額、他の社員との勤務の不平等)を行なわないこと。
⑶近年の物価の高騰で組合員家族の生活は大変苦しくなっています。今年は、政府も物価を上回る賃上げを強く奨励しており、多くの企業では大幅賃上げが実施されています。当労組は、このような社会的・経済的状況を踏まえ、各人の賃金(基本給)を4月から7%引き上げること。
⑷連勤については通勤時間が往復3時間以上かかる職員は宿泊施設への宿泊とされたい。
⑸貴法人内でのパワハラ(年末年始休暇の出勤手当3万円が支給されるようになってから一部の職員のみ出社させる行為、車通勤負担軽減が会社方針なのに山口市内から新門司の間を連勤時に車通勤をさせた行為、労働条件の不利益変更を同意しない職員に対して契約はしないと解雇をほのめかす行為、一部の職員に1ヶ月間の休みの希望日を聞かない行為等々)については早急に調査の上改善指導を行うこと。
⑹日本国憲法、労働組合法を厳守し、組合員への差別的取扱、労働組合員への解雇等の不利益変更や嫌がらせ、さらには労働者の団結権の侵害や団体交渉拒否などの不当労働行為は一切行わこと。組合員の雇用条件に関しては、当労組が交渉権を委任されていることから、個別交渉は行わないこと、です。

新たに立ち上がった仲間を支援しましょう。